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シーサイドコートマガジン Vol.6 寒いから楽しみたい、鎌倉・冬の贈り物。
季節を問わず景観を楽しむ、花の名刹。
 花のお寺として知られる光則寺。その境内は、推定樹齢200年の古木で、鎌倉市指定天然記念物に選ばれているカイドウをはじめ、四季折々を美しく飾る木々や草花であふれている…。そんな言葉に誘われ、江ノ電「長谷」駅から大仏様へ向かう道を歩くこと数分。注意していなければ、通り過ぎてしまうような細い脇道へと左折し、しばらく進むと光則寺の赤い山門が見えてきます。
上/赤い山門
下/江ノ電「長谷」駅
 入り口に置いてある「野草と茶花マップ」を手に取ると、境内に植生している植物が、まさにビッシリ。なるほど花の寺だと感心しながら中に入ると、それぞれの木々・花々には写真付のプレートが。名前や開花時期などが記入してあるので、あまり草花に詳しくない方でも分かりやすく観賞できるように配慮されています。
光則寺
しかしながら、訪れたのは冬の真っ只中。さすがにこの季節では、多くの花は望めませんが、それでも赤やピンク、白色の花を咲かせた椿科の幾種類、そして淡い色合いのロウバイが迎えてくれました。手入れが行き届き凛とした趣の本堂とマッチした、冬枯れという感じの景観も、これはこれでよいものだと感心しつつ、 「土牢」入口の案内に従い境内の右手奥に。
椿 玉の浦(2月下旬〜)
ワビスケ(11月下旬〜)
シンロウバイ(1月中旬〜)
 裏山へと続く長い石段を登っていくと、そこは日蓮上人の弟子・日朗上人が、かつて幽閉された場所だったとか。山腹をくり抜いて作られた牢での日々は、いかがなものだったのかと思いを馳せること暫し、振り返るとそこには思いもかけぬ光景が広がります。光則寺の墓地、伽藍の屋根越しに広がる眺望。その向こうには、鎌倉の海までもが見渡せるのです。これも、長い石段を上ってきたご褒美なのでしょう。
土牢
 頭上の木々を渡り歩くリスたちを眺めながら裏山を下りてくると、初老のご夫妻が境内を散策中。聞くともなしに会話を聞けば、“この前より梅のつぼみが大きくなっている。次回来るときは咲いているでしょう”とのこと。なるほど、時間の移ろいによる変化を愛でるという楽しみ方も、ここにはあるのです。季節が変われば違う花々で彩られ、その表情を変える庭…。一度来たら、二度三度と訪れる方が多いというのもうなずけました。
裏山からの眺望
■光則寺(こうそくじ) 所在地 鎌倉市長谷3-9-7  電話 0467-22-2077  拝観時間 7:30〜日没
炭火で温められた湯豆腐桶で味わう冬の逸品。
気象の長期予想では、暖冬といわれているそうですが、それでも北風が吹く日には思わずコートの襟を立ててしまうこの季節。やはりありがたいのは温かい食べ物。寒さが厳しい冬の夜、小鍋仕立てにした湯豆腐に箸を伸ばしつつ熱燗で一杯…、という左党も多いのではないでしょうか。
鎌倉という場所は、ご存知の通りお寺が多い土地。その食事である精進料理では、豆腐は昔から欠かせないタンパク源として重宝されてきました。そのためか、鎌倉には今でも多くの豆腐店があり、それぞれのお店が美味しい豆腐を提供しています。その一品を買い込んで自宅で味わうのも結構ですが、たまには専門店の味と風情を楽しんでみるのはいかがでしょうか。
そこで今回訪れたのは、豆腐尽くしが楽しめるお店「白朋」さん。店内はテーブル席ではなく、小上がりに設けられた座席のみ。靴を脱いで座るだけで、すでに“くつろぎモード”へ突入です。湯豆腐(夏は冷豆腐)・煮物(がんもどき外)・空也豆腐・かけ醤油豆腐・ゆず味噌豆腐・ご飯・汁・漬物・お菓子の「五品料理(2100円)」を注文し、待つこと暫し。出てきた湯豆腐は、木の桶に入って風情たっぷり。うかがえば、京都から取り寄せた湯豆腐桶であるとのこと。備長炭で桶のお湯を温めているので、最後まで美味しさを失わない、しかも豆腐につける特性のシジミ醤油も陶製の銚釐(ちろり)に入れ一緒に温めるという気配りも。湯の中の豆腐をすくい、まずは薬味を用いず、シジミ醤油のみでいただきます。
熱々の豆腐が口の中を踊るとともに、広がる滋味深い豆腐の旨み。これぞ“シンプルイズザベスト”まさに絶品です。木綿豆腐を使っているそうですが、口の中でとろける食感は、絹ごし豆腐のような柔らかさ。豆腐とはいかなる食べ物か、舌と頭にしっかりと記憶させることができました。もちろん、ほかの料理も、豆腐という素材を活かした品々で大満足です。寒さも本番を迎える冬の鎌倉散策、その休憩に、体も心も温かくなる一品はいかがでしょうか。
■鎌倉 白朋(豆腐料理)
所在地 神奈川県鎌倉市長谷1-15-13 白朋ビル2F
電話 0467-25-5760
営業時間 11:30〜15:30 17:30〜20:30(夜は要予約・4名以上)
定休日 木曜日
お昼は5品料理の他に●3品料理(1700円)●7品料理(2600円)の3種類のみ。
夜は●2600円●4500円「白朋夕なぎコース」湯豆腐・煮物・高也豆腐・他4品と御飯・漬物・お菓子●5500円のコースがあり、4名以上の予約が必要です。